海と森、両方を享受できる暮らし
サーフィンありきの家づくり
■厚真町・Mさん宅/夫婦30代、子ども1人
■設計/一級建築士事務所(株)小西建築工房 永田 大
■施工/分離発注方式
TEL:011-884-8211
HP:http://www.infosnow.ne.jp/~konishi/
今回の事例は、リプラン北海道vol.86に掲載しております。
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午前3時45分に起床し、愛犬と一緒に車で20分ほどのビーチへ出かけ、朝一番のサーフィンを楽しむ。そして、7時前には自宅に戻り、奥さんが焼いた天然酵母のパンで朝食をとり、8時前には苫小牧市内にある職場へ出発。これが、Mさんの出勤前の日課だ。それは真冬になっても変わることはない。
サーフィン好きなら誰もがうらやむような暮らしを実現させたMさんは、厚真町の丘陵地に住まいを構えている。3年前、札幌から苫小牧への転勤が決まり、単身赴任をしたのがそもそもの始まりだ。
「苫小牧は海が近いし、単身生活で時間もある。札幌時代、休日に楽しんでいたサーフィンが、生活の一部になってしまいました。海と1対1で向き合う厳しさがありながら、おおらかに遊ばせてもらっている感覚もあって、海から離れられなくなりました」
昔から自然の中で暮らすことを夢見ていたMさんは、職場にもビーチにも近い場所に土地を見つけ、家を建てようと決断した。そして2年前の秋、通い慣れたビーチのある厚真町で移住体験ができることを知り、家族とともに3週間の厚真町暮らしを体験した。「この場所なら家族の暮らしも、趣味の時間も楽しめる」と確信した夫妻は、雑木林に囲まれた約300坪の傾斜地を購入することにした。
「いろいろ調べて、一部でもセルフビルドが可能で、傾斜地の建築にも積極的に取り組んでいる小西建築工房さんに、設計をお願いすることにしました」
Mさんは、小西建築工房の社内コンペで選出されたプランの設計者・永田大さんと10ヵ月もの時間をかけてプランを練った。
新居は傾斜地という土地形状をそのまま生かし、森の木を極力切らずに済む位置に建てること。また、建材は自然由来の素材を多く用い、水まわりやキッチンは造作で仕上げること。昨年の暮れ、これらの希望を盛り込んだ新居が完成した。玄関から水まわり、ダイニング・キッチン、リビング、書斎、ゲストルームが、丘陵地の形状に沿って縦長にレイアウトされている。最も奥にあるゲストルームの上に、寝室が設けられているほかは、すべての空間が吹き抜け。モルタルとツーバイ材を使った床、漆喰の白い壁。モノトーンと木で統一したシンプルな空間に、大きな開口越しに見える木々が絵のように映る。
「漆喰の内壁は、ビーチで仲良くなった地元の海仲間と一緒に4日間かけて塗りました。思い出が詰まったコテ跡も温かみがあるし、窓からの森の眺めが広がりを感じさせてくれて、実際の床面積以上にゆったりと暮らせます」
玄関ポーチには、温水の出るシャワーも完備。さらに、そのまま浴室へ直行できる出入り口があり、ビーチの汚れを居室に持ち込まずに済むような動線がつくられている。隅々にまで住まい手と作り手の想いが息づく森の住まいは、海仲間にも居心地がよいと評判。開放感にあふれたLDKには20人もの友人が集うことも珍しくない。
「休日も海へ行きたいけれど、冬に備えて薪割りをするのも僕の仕事。天気の良い日は、妻との心理戦が水面下で(笑)。想像以上に田舎暮らしは忙しくて、退屈している暇はありません」
サーフィン好きなら誰もがうらやむような暮らしを実現させたMさんは、厚真町の丘陵地に住まいを構えている。3年前、札幌から苫小牧への転勤が決まり、単身赴任をしたのがそもそもの始まりだ。
「苫小牧は海が近いし、単身生活で時間もある。札幌時代、休日に楽しんでいたサーフィンが、生活の一部になってしまいました。海と1対1で向き合う厳しさがありながら、おおらかに遊ばせてもらっている感覚もあって、海から離れられなくなりました」
昔から自然の中で暮らすことを夢見ていたMさんは、職場にもビーチにも近い場所に土地を見つけ、家を建てようと決断した。そして2年前の秋、通い慣れたビーチのある厚真町で移住体験ができることを知り、家族とともに3週間の厚真町暮らしを体験した。「この場所なら家族の暮らしも、趣味の時間も楽しめる」と確信した夫妻は、雑木林に囲まれた約300坪の傾斜地を購入することにした。
「いろいろ調べて、一部でもセルフビルドが可能で、傾斜地の建築にも積極的に取り組んでいる小西建築工房さんに、設計をお願いすることにしました」
自然に建てる、自然と暮らす
Mさんは、小西建築工房の社内コンペで選出されたプランの設計者・永田大さんと10ヵ月もの時間をかけてプランを練った。
新居は傾斜地という土地形状をそのまま生かし、森の木を極力切らずに済む位置に建てること。また、建材は自然由来の素材を多く用い、水まわりやキッチンは造作で仕上げること。昨年の暮れ、これらの希望を盛り込んだ新居が完成した。玄関から水まわり、ダイニング・キッチン、リビング、書斎、ゲストルームが、丘陵地の形状に沿って縦長にレイアウトされている。最も奥にあるゲストルームの上に、寝室が設けられているほかは、すべての空間が吹き抜け。モルタルとツーバイ材を使った床、漆喰の白い壁。モノトーンと木で統一したシンプルな空間に、大きな開口越しに見える木々が絵のように映る。
「漆喰の内壁は、ビーチで仲良くなった地元の海仲間と一緒に4日間かけて塗りました。思い出が詰まったコテ跡も温かみがあるし、窓からの森の眺めが広がりを感じさせてくれて、実際の床面積以上にゆったりと暮らせます」
玄関ポーチには、温水の出るシャワーも完備。さらに、そのまま浴室へ直行できる出入り口があり、ビーチの汚れを居室に持ち込まずに済むような動線がつくられている。隅々にまで住まい手と作り手の想いが息づく森の住まいは、海仲間にも居心地がよいと評判。開放感にあふれたLDKには20人もの友人が集うことも珍しくない。
「休日も海へ行きたいけれど、冬に備えて薪割りをするのも僕の仕事。天気の良い日は、妻との心理戦が水面下で(笑)。想像以上に田舎暮らしは忙しくて、退屈している暇はありません」
今回の事例は、リプラン北海道vol.86に掲載しております。
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■厚真町・Mさん宅/夫婦30代、子ども1人
■設計/一級建築士事務所(株)小西建築工房 永田 大
■施工/分離発注方式
TEL:011-884-8211
HP:http://www.infosnow.ne.jp/~konishi/