住宅雑誌Replan（リプラン）

限られた予算でも家は持てる！
セルフビルドで自分らしく

宮城県石巻市・Ｏさん宅　設計・施工／ヒノケン（株）

今まで出会ったものや
好きなことを集大成して
リラックスできる空間に

　震災後の仮住まいから脱却したいと願いつつ、地元の土地不足や資金面の不安から、マイホームの夢が厳しくなったOさん。「もうこれしかない」と辿り着いたのは、小さな中古住宅を格安で手に入れ、できる部分は全部自分たちでリノベーションするという方法でした。「わらにもすがる思いだった」というこの計画に耳を傾け、施主の想いに応えたのが地元ビルダーのヒノケンです。もともと家具づくりなどDIY好きだった奥さんが主体となって、ほぼ毎日朝8時から夕方５時まで現場入り。職人たちに助けられながらこの家を仕上げたのです。
　テーマは「これまでの人生で出会ったもの、好きなものの集大成」。サーフィンが大好きなご夫妻らしく、無垢の床や白い壁、太陽に似合う外観デザインが海辺の家を連想させます。増築して3DK＋サンルームとなった空間は、コンパクトながらも部屋毎にイメージを変えてどこにいてもくつろげるよう演出しています。
　「被災地では未だ家を持てない人も多いけれど、予算がなくても家は持てます」と強調するOさん。「手づくりの家は愛着が湧くし、これからも手を加えて楽しんでいきたい」と語ってくれました。

Reform Point

床塗り・壁クロス張り・窓枠ペイント・建具製作など、職人のアドバイスをもらいながら「自分たちらしさ」を最大限に発揮。

趣味のサーフボードを飾ったり、奥さんが裁縫したり多目的に使える部屋を増築。来客用にも便利で、将来は子ども部屋にする予定。

少しでも明るく広く感じられるよう、白を基調にした内装仕上げ。視覚的効果に加え、白ならいずれ模様替えや塗り替えする際にも楽。