住宅雑誌Replan（リプラン）

　70代のご夫妻が住むゆったりとした平屋のＥさん宅。スギ板の自然な形を生かした下駄箱のある玄関を入ると、脇が10畳の茶の間。梁を現しにした高い天井が広さを感じさせ、掘りごたつが和の温かさを演出しています。柱にはヒノキ、他はスギを使用。テレビ台や窓下の引き出しも造作で、随所に木を生かした造りです。西側にある寝室の窓からは蔵王連峰が見え、気持ちまで大らかになるような眺めです。隣には10畳余りの洋室。タンスを置いて納戸がわりに使い、趣味の社交ダンスの衣装などを収納しています。「６年前に建ててもらった娘の家が良心的な仕事ぶりの上、とても快適だったので私たちもお願いしました」とＥさん。
　２人の生活を快適にしているのは、住宅性能の高さ。基礎、床、壁、屋根とも遮熱面材付き高性能ウレタンフォームを使用した断熱施工でＱ値１・９１という高性能です。ヒートポンプ式基礎蓄熱暖房で暖かさも抜群。夜間電力を利用して基礎に蓄熱し、日中放熱する輻射熱で、家全体が温度差のない空間になります。換気は24時間行う第３種で、家の南側から北側へ空気が流れるように設計しました。
　「冬の朝もさっと起きられるし、面白いことに前の家から持ってきた布団がふわふわになりました」。夏はエアコンを午後に少しつければ、暑さが苦にならない温度になるとか。段差も温度もバリアフリーの家は快適そのもの、Ｅさんご夫妻は元気に生活を楽しんでいます。