SAWAI Style
■札幌市・Aさん宅 家族構成/夫婦50代
■設計・施工 / (株)SAWAI建築工房
■会社所在地 / 札幌市中央区円山西町2丁目4-5 / Tel.011-615-6501
HP:http://www.sawai-k.co.jp/
子育てに追われていた時代、住まいに求めたのは機能性でした。でも、人生2回目の新居には便利さよりも、遊び心とゆとりのある空間を実現したいと考えました。
私たちは、どちらかと言えばインドア派。とはいえ、暮らしの楽しみはそれぞれに異なります。家族が一緒に過ごす時間を大切にしつつ、それぞれが楽しめる場所を設ければ、家で過ごす時間がより充実したものになるでしょう。そして、住まいの中にさまざまな景色、空間が散りばめられていたら、日常に彩りが加わり、さらに豊かな毎日が送れるように思えました。
家の中で思い思いの時間を過ごしていても、一日の終わりには一緒に食卓を囲み、ゆっくりと夕食を楽しみます。吹き抜けが心地よいダイニングは、これからの時間をいっそう味わい深いものにしてくれることでしょう。
10年前、旧居のリフォームを手掛けたのがご縁で、これからの人生の新しいステージとなる住まいをSAWAI建築工房がつくり上げることとなりました。内装には、奥様が好きな表情豊かなタイルをはじめ、イギリス・アンティークのようなクラシックな雰囲気を醸し出すオーク材、ステンドグラス、アイアンなどを採用。これからの暮らしの歴史が美しく刻まれ、時を経て表情になるような素材を吟味することにも心を配りました。それらを踏まえたうえで、永住の家にふさわしい飽きのこないデザインをご提案しました。
くつろぎの時間を楽しむリビングは、落ち着き感を出すためにスキップフロアによってダイニング・キッチンと空間をゆるやかに分断。目線の高さに変化が生まれる仕掛けとしました。キッチンと直結するダイニングは、朝食が気持ちよく楽しめるよう吹き抜けをしつらえ、開放感を演出しています。
その一方で、ご家族が思い思いに自分の時間を楽しむこともできるように、パーソナル空間には防音設備を準備しています。さらに、2階には風の匂いとお茶などが楽しめる小さなテラス、階段ホールには電気式暖炉を据えたコーナー・スペースを設けるご提案をするなど、室内景観に変化を持たせました。
こうした空間づくりによって、家族の時間も自分の時間もそれぞれに楽しめる調和のとれた住まいを目指しました。
プランニングの際には、室内景観に変化をつけたいという意向を反映して、あえてクランクする廊下をつくるなど空間のレイアウトも個性的にしています。
こうした心地よさを生み出す住まいの礎となるのが、住まいの性能です。SAWAI建築工房では、全国でも最も厳しい北海道の次世代省エネルギー基準に適合する高断熱住宅を標準仕様にしています。「終の棲家」として新築したこの住まいには、さらに厳しい「低炭素建築物」の認定基準を満たす性能を採用し、断熱・気密性や換気計画に加えてエコジョーズ+ヒートポンプのハイブリッド給湯暖房設備を導入。トータルで考えた住宅性能も、ご家族の暮らしを末永く健やかに支えてくれることでしょう。
住まう人の個性をにじませ、暮らしを豊かに彩るデザイン。そして、住宅性能に裏付けられた快適性。見えるところにも、見えない部分にも、住まう人に最適なカタチをこれからも提案し続けてまいります。
■構造規模/木造(2×6工法)・地下1階 地上2階建て
■延床面積/199.95㎡