case.01│家族の成長に合わせて育ち続ける
旭川市・Sさん宅 家族構成/夫婦30代、子ども3人
設計・施工/アクト建築工房(株)
「自然が身近に感じられて、景色が良いところでのびのびと子どもたちを育てられる、大らかな家に住みたい」。5歳、3歳、1歳の3人の男の子を育てるSさんご夫妻は、3年前から新築を検討し始めました。ご夫妻の理想は、板張りのラフでナチュラルな内装で仕上げたオープンな住空間でした。「素地のまま、仕上げはしない。汚れたら削ればいいですから。また、子どもの成長に合わせて、必要になれば間仕切りを付けても良いと考えていました」。
昨年、旭川の郊外に雑木林に隣接する理想どおりの土地を見つけたご夫妻は、迷わず購入。そして、アクト建築工房に新築を依頼しました。「いろいろ調べる中で、アクトさんのホームページを見つけました。事務所を訪ね、椅子や家具のコレクションを見せてもらって、僕らの美意識や価値観を共有できると確信しました」。
完成した新居は木造2階建て。室内に一歩足を踏み入れると、ダイナミックな吹き抜けと裏手の雑木林を一望する大開口に目を奪われます。「床は構造材、壁は針葉樹合板の下地材そのままですが、1人の職人さんがコツコツと丁寧に仕上げてくれたので、いつまでも心地よく住めそうです。採光も良く考えられているので明るくて、とても暖かい。子どもたちが自由に駆け回れる理想どおりの家ができました」。素材の持ち味を生かした「未完の家」は、子どもたちが成長するほどに美しく、味わい深い表情を蓄えていくことでしょう。
「心地よい環境」は、住まい手によって違います
道内屈指の寒冷地であり、積雪も多い旭川では、温熱環境をいかに整えるかが我々の大きな使命でした。しかし、断熱・気密の数値、設備のスペックと同じくらい、大事なものがあります。それは、住まう人が何を心地よく感じるかということ。人によって変わる「心地よいツボ」を探し当て、視覚的、精神的に心地よく感じる仕掛けを適材適所に施す。それは、触れるほどに愛着がわくような物語を持った本物であるべきです。こうしたことも、住まいやすい環境を実現する大きな決め手になると、私は考えています。
また、ストレスを感じることなく長く安心して暮らすために、温熱環境を住まい手自身が簡単に整え、維持できるように配慮することも大切です。
■建築データ
□構造規模 木造(新在来工法)・2階建て
□延床面積 119.14㎡(約35坪)
□主な外部仕上げ 屋根/長尺カラートタン、外壁/ガルバリウム鋼板 一部板張、建具/玄関ドア:木製断熱ドア、窓:樹脂サッシ(Low-E・アルゴンガス入)
□主な内部仕上げ 床/パイン材、壁/針葉樹合板、天井/水性ペイント
□断熱仕様(充填断熱+付加断熱) 基礎/ポリスチレンフォーム(B3)75㎜、壁/グラスウールサン16kg100㎜+グラスウールボード32kg25㎜、天井/ブローイング300㎜
□暖房方式 灯油ボイラー式セントラルヒーティング
■工事期間
平成25年3月〜8月(約5ヵ月)
旭川市・Sさん宅
家族構成/夫婦30代、子ども3人
設計・施工/アクト建築工房(株)
TEL 0166-74-7781
旭川市4条西7丁目2-2 4条西ビル3階
http://www.actkk.co.jp/